Chairmans EYE -第二節展望-

CHAIRMANS EYEとは
30リーグチェアマンの上田ダイゴが
各団体の紹介や試合の見どころを
独断と偏見と妄想で紹介するコーナーです
今回は第二節
『うーめい×8プロ』を
独自の目線で徹底解説します

遂に開幕した30リーグ2025。好勝負となった開幕戦『ルイボスティーはバニラの味×夜に静か』を受けての第二節は、両団体とも30リーグ初参戦の『うーめい×8プロ』というフレッシュな顔合わせとなった。
CHAIRMANS PREDICT
まず紹介するのは先攻のうーめい。伏井舞美が立ち上げた個人ユニットで、今回の30リーグ第二節が旗揚げ公演となる。なのでユニットとしては火ゲキ初参加であるが、主宰の伏井は2024年に開催した火ゲキワークショップ公演のメンバーとして火ゲキ30×30の舞台を踏み、その後ワークショップ参加者で構成されたユニット『にーまるまる』の中心人物として火ゲキ30×30に参加。つまり個人としては火ゲキ30×30の経験値は十分にあると言って良いだろう。
そんな経歴から今回のうーめいがどの様なユニットなのかを、私が知る限りの情報を元に推察すると、思い当たるのはユニットの中心的な存在として活動した『にーまるまる』の上演作品である。実は『にーまるまる』は火ゲキのブッキングを担当している私が30×30の枠を埋めるために、伏井にお願いして半ば無理やり組んでもらったという経緯がある。
『にーまるまる』では既成台本を使う方向で動いていたので、私も台本探しを手伝うためにどの様な作品を探しているかを訊いたところ、帰って来た答えが『不条理かSF(少し不思議)』。そして結果的に上演したのは別役実氏の戯曲であった。
もちろん『にーまるまる』は伏井が主宰だった訳ではないので、他のメンバーの意向も多分に含まれているとは思うが、伏井が上記の方向性を好む事は間違いないと思われる。
うーめいでは満を持して作演を担当する伏井。ほぼ同世代の女子で固めたオーダーで描くのは別役実的な不条理か?それとも全く違う世界なのか?

対する後攻の『8プロ』もうーめいと同じく出田英人の個人ユニット。ただし団体としては2024年に旗揚げして30×30にも参加しているので、団体の経験値としてはうーめいより少し勝っている。
こちらも去年の火ゲキ30×30作品を参照して紹介するとすれば、まず真っ先に出てくるのは『エンタメ』という言葉だ。去年の作品では戦隊ヒーローもののパロディ的な設定を用いつつ、前半のコメディタッチから後半に熱い展開を持ってくるという、王道とも言える作品で会場を大いに盛り上げていた。そしてエンタメには欠かせない衣装やアクションの点でも、30×30という制限のある舞台の中で最善を尽くしていたと言える出来であった。
今回の作品『ノブナガアベンジャーズ』も、既にエンタメ感がダダ漏れな上に、エンタメ舞台の華とも言える派手な殺陣を期待してしまうタイトルの通り、前回以上の王道エンタメを披露してくれるのではないだろうか。
さらにもうひとつ、8プロの華やかなエンタメ性を支えつつ、30リーグ的にも有効な戦術となっているのが出演者の多さだ。
観客投票型の対戦イベントの場合、どうしても集客力が勝敗を分ける大きな要因の一つになってしまうので、出演者を多くして少しでもチケットを多く売るという事が基本的な戦術となっている。しかし30リーグの様な30分作品の場合、無理に出演者を多くすると全員を有効に使う事が難しくなり、結果、作品のクオリティを落としてしまうという危険性がある。
その点、8プロの様なエンタメ作品は舞台上に人がいればいるほど華やかさが増すので、出演者の多さがメリットとして働く可能性はかなり高いと思われる。事実前回の公演では7名の出演者だったが無理をしているイメージはなかったと記憶している。そして今回の出演者はオーダーによれば8名との事。作品的にも戦術的にも前回よりさらにパワーアップしているのではないだろうか。
ただし出演者の数だけで言えばうーめいも6名なので決して負けてはいない。うーめいはジャンル的にはまだ未知な部分が多いが、出演者全員を上手く使いこなせれば8プロに負けないマンパワーを産む出す事は十分可能である。
個人ユニット同士の戦いながら出演者が8名対6名という30リーグでは珍しい団体戦となった第二節。出演者の多さに見合った激しく熱い戦いを期待したい。
上田ダイゴ(30リーグチェアマン)
※敬称略