RIVALS EYE【第六節:ルイボスティーはバニラの味】

2025年09月17日

RIVALS EYEとは

ライバル達が熱いホンネをぶつけ合う

30リーグ2025参加団体による公式戦の観戦レポートです

今回は第六節『8プロ×金木犀の肌』を

ルイボスティーはバニラの味がレポート

はたしてライバルはこの試合をどう観たのか?

【総評】

個人的な話になるが、この公演を観た時は30リーグCLIMAX の台本の締め切りが迫っており、迫っているのに書けずかなりジリジリとしていた。でもこの公演を観てなんだかスッキリした。
対戦形式の公演という以上、作り手としては「勝ちたい」とか「負けたらどうしよう」といった雑念が頭によぎる。それは時にモチベーションになるが、時に創作の上では雑念となる。
しかし、この公演を観て、勝つとか負けるとかじゃなく、自身の癖(ヘキ)から逃げずに、自分が観たいものを作ればいいんだ!と腑に落ちた。憑き物を落としてもらった感じがする。ありがとうございます。


8プロ『紅蓮の貌(かお)』

王道の恋愛もの。男女どちらもコミュニティから外れた存在で、だからこそ惹かれ合う。
2人の距離が縮まっていくのを見守る時、普通にニヤニヤしながら観ていた。今まで恋愛ものの芝居にあまり触れてこなかったけれど、こういう王道の悲恋ものが好きなんだと気づきをもらえた。
ただ、30分ものの難しさというか、2人の距離が縮まっていくのが急すぎるように感じた。それぞれ、お互いをどの段階で好きになったのかがあまり見えづらかった。
詰め込んだ設定がたくさんあったからか、序盤の説明が長く感じて、「2人の恋物語」という主軸になかなか入っていかない印象を抱いた。この軸が、それぞれの家族のエピソードなどが入ってきたことによって少しぶれた感じがする。
60分芝居で観てみたいな、と思った。

金木犀の肌『阿婆擦れ』

これは、私に何か言えることがあるだろうか

役者の演技、演出、大道具、ホン、すべてが素晴らしかった。

毎年、一年を振り返った時に、印象に残っている芝居がある。もっと後々その年を振り返った時に、「この年はあの芝居を観たな」と思い出すような。
『阿婆擦れ』は、後から思い出した時に2025年を代表して思い出す芝居の一つになるだろう。
中谷桜さんの演じる少しトんでる女がものすごくて目が離せず、でも、トんでるからこそ、「怒っちゃわないでね」と優しく微笑む声のトーンがなんていうかもう、ほんとに素敵で。
ラストシーン、中谷桜さんの右目にライトが当たってきらきらして、それが本当に美しくて。
そしてこのパワーのある中谷さんのお芝居を受け止める小山栄華さんがすごい。芝居的な意味でも、物理的な意味でも支えていて、小山さんもものすごかった。
舞台上ではパワーのある役を演じる方に目が行きがちだが、実はそのパワーを受け止めて、うまく打ち返す方が難易度が高いと思う。でもそれをなんでもないようにやってのけて、且つ美しく微笑む。美しすぎる。
お二人とも美しくて、きれいだった。
そしてこの二人を信じて作り続けた青草猫さんはすごい。青草さんの美学や、世界の汚いところをまっすぐ見つめて、そこから逃げない目線を感じて痺れた。
とても美しい芝居だと思った。 

石﨑麻実(ルイボスティーはバニラの味)

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