RIVALS EYE【第二節:金木犀の肌】

RIVALS EYEとは
ライバル達が熱いホンネをぶつけ合う
30リーグ2025参加団体による公式戦の観戦レポートです
今回は第二節『うーめい×8プロ』を
金木犀の肌がレポート
はたしてライバルはこの試合をどう観たのか?

うーめい『多分、日常。』
アニメのようなキャッチーなわかりやすさと、その反面で捉えどころのないシュールなストーリー展開が、この芝居の売りポイントなのかな、と私は感じた。
キャラクター造形はわかりやすいのに、ストーリーは捉えどころがない。そのズレ感が、なんとも不思議な触感だった。
ただ、私個人としては、最後まで、どう観ればいいのかわからない芝居だった。どう見ればいいのかわからないというのは、言いかえれば、「自分がどう観たいのかがわからない」ということだと思う。どう観ればいいかなんて、作り手が決めるものではないのだから。どう観るのか、どう観たいかは、観客が自分で決めること。
それができなかったというのは、おそらく、私個人と作品との相性があまり噛み合わなかったということなのではないだろうか。精神状態や体調、現在のライフステージ、最近観た作品なんかもすべて、観劇体験を左右するから、もし別の時期に観ていたら、あるいはゲネではなく本番を拝見していたなら、私の感想はまったくちがうものになっていたかもしれない。
願わくば、「わかんなかった…」「噛み合わなかったのかなぁ…」とかウジウジほざいている私のような貧弱な観客を、力づくで、あるいはテクニックづくでねじ伏せてほしい。勝手な妄想だが、うーめいさんはきっと、そういう「はちゃめちゃなpower!!」みたいなものが、とっても似合う気がする。いい加減なこと言ってたらごめんなさい…。
8プロ『ノブナガアベンジャーズ』
冒頭、「いかにも信長」といった外見の俳優が、「いかにも本能寺の変」といったセリフを吐いている。私は実は(実は)エンタメ芝居が好きなので、「これはきっとドエンタメが観れるぞ!」と内心ワクワクする。私のこの期待は、ある意味では大きく応えてもらえ、そしてある意味では、いい意味で大きく裏切られることとなる。
私は、エンタメ時代劇を期待してワクワクしていたので、冒頭シーンのあと、どうやらこの信長が異世界に転生したっぽい、とわかったとき、正直少しガッカリしてしまった。「なんやこれ!ド王道のエンタメ時代劇やってくれよ!なあ!」と思ったのである。
だが、私のような、非常に思想の偏ったわがままな観客ですら、「うふふ」と笑わせてくれる力が、この作品にはあった。
織田信長という実在した人物が、大量のコンテンツで消費されているという現実。これには功罪があり、賛否もあるだろうが、功罪も賛否もすべてをユーモアで柔らかく包み込んで、楽しい時間を創り上げてくれるような作品だった。
それでいて、異世界に転生しながらも、しっかりとしたエンタメ時代劇のスキルという土台に支えられてもいたから、その意味で、「期待にもバチコリ応えてもらえた!すんごい満足!」とも思った。
ストーリー展開で観客の期待(ならびに予想)を裏切りつつ、同時に、しっかりとした脚本・演技・演出・スタッフワークで期待に応えてもいる、というその構造がほんまに華麗。「演劇力」がすんごい!
青草猫(金木犀の肌)
